レオパ(レオパードゲッコー/ヒョウモントカゲモドキ)が餌を食べないときの、考えられる可能性や対策、餌の種類、年齢別の餌の与え方などについてまとめます。
レオパが餌を食べないと不安に思う飼育者は多いでしょう。レオパが餌を食べてくれない原因は多岐にわたりますので、原因の解明が必要です。
一般的な原因
通常、レオパが餌を拒否する主な原因には、飼育環境の変化、ストレス、季節の変わり目、抱卵時期などがあります。例えば、温度や湿度が不適切な場合、レオパはストレスを感じ、食欲を失うことがあります。また、脱皮前後は食欲が落ちることも一般的です。
飼育環境の影響
飼育環境の影響も重要な要因です。レオパは暖かく乾燥した環境を好むため、温度や湿度の管理が不十分だと食欲不振に陥りやすくなります。適切な照明や隠れ家の提供も、ストレス軽減に役立ちます。また、ケージ内のうんちや尿酸などの排泄物は、すぐに取り除きケージを綺麗な状態に保つようにしましょう。他にも、適度な運動が食欲を促します。ケージ内での運動が足りない場合は、時々ケージの外に出して散歩させてあげると良いでしょう。
健康状態の問題
何かしらの病気に罹っている場合、餌を食べないことがあります。内部寄生虫や消化器系の問題、栄養過多や栄養不足などにより餌を食べられない場合は、はやめに獣医師に相談することが重要です。レオパの体調は日頃の運動量や食事、排泄物などからチェックするように常に心がけましょう。
レオパの餌には様々な種類があり、それぞれ異なる栄養価と与え方があります。
餌の種類 | 特徴 | 適用状況 |
---|---|---|
活き餌 | 狩猟本能を刺激し食いつきが良い | 食欲が旺盛なとき・健康なレオパ・食欲が落ちているとき |
置き餌 | 動かない餌・消化に良い | 病気の回復期に適している |
推奨される餌の種類
レオパに推奨される餌には、小さな昆虫類が主です。一般的には、コオロギやミルワーム、ローチ、デュビアが適しています。これらはタンパク質が豊富で、レオパの健康維持に必要な栄養を提供します。餌にはカルシウム粉をまぶすことで足りない栄養を補うこともできます。
生き餌と置き餌の違い
活き餌は、レオパの狩猟本能を刺激し、活動的な食事体験を提供します。一方、置き餌は動かない餌で、人工餌や乾燥コオロギなどを指し、食欲が落ちているなどレオパが虚弱しているときに適しています。活き餌と置き餌を交互に提供することで、バランスの取れた食事が可能になります。
野菜や虫以外の餌
レオパは基本的には100%昆虫食で育てましょう。レオパは基本的に肉食ですが、野菜や果物を与えようとすると普通に食べる個体も少なくありません。しかし、これらは主食には適していないのと、栄養バランスを崩す可能性がありますので、与えるとしても少量にしましょう。
レオパが餌を食べない場合、次のような工夫をしてみましょう。
餌の頻度と量の調整
餌の頻度と量の調整は、レオパの健康状態や活動レベルに基づいて行います。若いレオパ(ベビー)は毎日餌を必要としますが、成体(ヤング〜アダルト)は数日に一度でも十分です。食欲不振の際には、餌の量を減らし、体調が戻ってきたら徐々に増やす方法が効果的です。
ストレスの軽減方法
ストレスが原因で食欲不振になることもあります。飼育環境の安定、特に適切な温度や湿度の維持、隠れ家の提供、運動できるようなケージの工夫が重要です。また、環境の変更は最小限に留め、レオパに安心感を与えることが大切です。
獣医師のアドバイス
食欲不振が続く場合や他の健康問題が見られる場合は、専門の獣医師に相談することが最善です。獣医師は具体的な健康状態の評価と、適切な治療法や飼育方法の提案を行います。
レオパは年齢に応じて食事量が変化します。ベビーと呼ばれる時期とヤングやアダルトと呼ばれる時期では餌やりの頻度が変わりますので、餌の量や頻度の目安をチェックしましょう。
ベビーの餌
生後3〜6ヶ月のレオパはベビーと呼ばれ、この時期のレオパは成長期にあるため、高タンパク質で栄養価の高い餌を毎日あえる必要があります。毎日、小さめのコオロギやミルワームを適量(一度に2-4匹の小さめのコオロギやミルワーム)与えます。餌にはカルシウムとビタミンのサプリメントを追加し、健康な骨格の発達を支えることが大切です。
ヤング〜アダルトのレオパの餌
およそ生後半年〜1年はヤング、1年以上経過するとアダルトとされ、これらは成体とされます。成体レオパ(ヤング〜アダルト)は週に数回の餌で十分です。
大きめのコオロギ(体長約2.5cm程度)や他の昆虫(コオロギ、ミルワーム、ローチ、デュビアなど)を与えることで、必要な栄養を確保します。成体には過剰な栄養摂取を避けるため、餌の量や頻度に注意し、定期的な健康チェックを行うことが推奨されます。
レオパが餌を食べず、不安に感じている人にとって少しでも役立ちそうなよくある質問をここで紹介します。
- レオパの餌は毎日同じもので大丈夫ですか?
- 同じもので構いません。餌が変わると体調に影響する場合があるので、しっかり食べてくれる餌があればそれを与えましょう。逆に食べてくれない場合は、違う餌を試してみるのも良いでしょう。
- 野外で取ってきた昆虫を与えても大丈夫ですか?
- やめておきましょう。野外の昆虫はどのような寄生虫を持っているかわからないですし、うまく消化できないなどの問題が起こる可能性もあります。レオパにはコオロギ、ミルワーム、ローチ、デュビアなどの昆虫を与えるようにしましょう。
- 生き餌と置き餌、どちらが良いですか?
- 食欲が落ちている場合、一般的には活き餌の方が食いつきがよく、虚弱している場合は人工フードの方が消化に良いという面があります。両方をバランスよく提供することが推奨されますが、食いつきは個体によります。
- レオパの餌に果物や野菜を与えてもいいですか?
- レオパは基本的に100%昆虫食で育てることが理想です。少量の野菜や果物を時々与えても特に目立つ害はありませんが、それは私たちの目には見えていないだけで本来食べていないもの摂取することで体の中で何か異変が生じる可能性があります。加えて、レオパが摂取する栄養バランスも崩れてしまうことが考えられます。
- レオパがたくさん食べる時にはたくさん与えても良いですか?
- 食べ過ぎはNGです。消化器に負担がかかり、うまく排泄できないことなどが考えられます。また、日頃から食べすぎると脂肪肝などのリスクもあります。成長に合わせて適量を与えましょう。
- レオパの拒食期(?)が半年程度続いていて心配です。生後半年くらい。シェルターはありません。餌は人工フードをあげています。うんちをほとんどしません。何か良い対策はありますか?
- ケージ内の温度を29〜31℃程度にしてください。温度勾配ができレオパの快適性も上がるのでシェルターを入れてあげると良いでしょう(シェルターは比較的安価)。レオパゲルやレオバイトなどの人工フードは大変人気がありますが、個体によっては(レオバイトに限らず)人工フードは急に食べなくなるケースも少なくありません。活き餌のコオロギを食べるかどうか試せるようであれば是非試してみてください。
この記事を通じてレオパが餌を食べない理由や可能性を考えていただき、あなたのレオパが1日も早く餌を食べてくれるようになることを願っています。